私がかな書に傾倒することになったきっかけは、百人一首との出会いでした。
20代の時に、下の句かるた(写真上)を詠む楽しさにふれ、それと同時に、書かれた筆字を解読したり、書いたりすることに興味をもつようになりました。
約2年をかけて、100首を書き上げることができたので、今回のかな講座のお話をいただいた段階で、まず、この百人一首をなんとか使いたいと考えました。
そこで、参加の申し込みをされた方々から、百人一首で書いてみたい短歌をリクエストしていただき、私の100首のレパートリーから、手本として書き直したものを、講座の当日にお渡しして、書いてもらうことにしました。
結果は、前述の通りで、基本的なかなの用筆法がある程度分かれば、あとは書いていくだけですから、時間はあっという間に過ぎていきます。
かな書の面白さは、短歌や俳句に織り込まれた情感や情景をシェアすることにあると思います。
例えば、「天つ風 雲の通い路 吹き閉じよ 乙女の姿 しばしとどめむ」(写真中)でしたら、主役は「乙女ちゃん」で、行手を塞ぐ「雲」が脇役になるという構図ができます。また、「夏の夜は まだ宵ながらながら 明けぬるを 雲のいずこに 月やどるらむ」(写真右)でしたら、どんな「月」が雲のどのあたりに隠れているかが、ポイントになります。
このように百人一首に寄せる私なりの解釈を交えながら、作品づくりをしてもらいました。とにかく、百人一首をバックボーンにして、さまざまな思いを筆字で表現することを楽しんでいただいたわけです。今回は、その第1弾の「春」編ということになりました。
…というわけで、LETS書道!!
次回は、6月23日(木)午前という予定です。たぶん、テーマは「夏」ということになりそうです。詳しい内容が決まりましたら、またこのブログでもご案内しようと思います。