厚別東書道サークルブログ

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仮名の成り立ちを探る♪〜文字学講座②

『書の研究』5月号が今週も、我が家に届きました。人前では、こっそりと見て、一人でにんまりとする拙稿「文字学講座」ですが、自宅ではコーヒーを飲みながら、ゆっくりのんびりと自分の文章を眺めることができます。今回で5回目を迎え、少しずつですが、内容も自分らしく進化してきたように思います。※写真下
編集担当のNさんと相談しながら、読者に分かりやすくて、ためになる内容を届けたいと、毎回推敲を繰り返しています。
今月は、「お」の字母にあたる漢字「於」が、くずし書きを重ねて、平仮名「お」に変化する過程を、私の毛筆文字付きで解説しています。
文章表現にも、毛筆書体にも、かなり苦戦はしましたが、納得いく内容になったと喜んでいるわけです。※写真左上
この「文字学講座」の執筆をやってみないかと小原先生に誘われたのが、昨年9月で、正直なところ私なんかに務まるわけがないと思っていました。基本的に、文章を書くのが好きなので、題材さえ決まればなんとかなると、極めて楽観的に関連の書物を読み始め、Nさんにもいろいろとアイデアをもらって、現在の「仮名シリーズ」にたどり着きました。

漢字の解説なのに…どうして仮名⁈
私の仮名好きが幸いしたのか、小学校の国語の時間からずっと心に引っかかってきた何かが不思議なきっかけをくれたのか…まずは大枠ですが、こんな感じです。

時は1900年の「平仮名」制定(文部省)に遡ります。それまでは、「漢字」と「かな」という大きな括りのもとで、日本の文字文化は形成されてきたと思います。特に「かな」には、万葉仮名、真仮名、草仮名、男手、女手など、さまざまな種類が混在していました。そして、この1900年を境に、多様なかなの名称は、「平仮名」とその他とに二分されることになります。その、「その他」が、まとめられて、非・平仮名の「変体がな」と言われるようになります。
実は、小学1年生が国語の時間に習う「平仮名」、あいうえお…には、長い年月をかけて、かなが漢字から独立し、日本固有の文字文化を形成してきた一端が垣間見えます。その姿を一文字一文字、腰を据えて、じっくりと見ていこうというのが、今回私が担当する「文字学講座〜仮名シリーズ」というわけなんです。その記念すべき、第一号が、2022年1月号の平仮名「あ」の、「安」と「阿」なのです。

…ということで、次号に続きます。( ̄(工) ̄)